工業用内視鏡は、主に「ファイバースコープ」、「ビデオスコープ」、「ボアスコープ(硬性鏡)」の3種類に大別されます。こちらの記事では、工業用内視鏡の構造と仕組みについて解説していきます。工業用内視鏡の導入を検討している方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
現在、さまざまなメーカーから工業用内視鏡が提供されています。自社のニーズに合った製品を選択するためには、まず工業用内視鏡の構造と仕組みについて理解しておくことが大切です。そこでこちらの記事では、工業用内視鏡はどのような構造・仕組みになっているのかを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
工業用内視鏡の挿入部(プローブ)は、細長く柔軟なケーブル状になっています。こちらの部分は先端にカメラやレンズのほか、照明(LEDライト)が搭載されているので、暗い場所の観察をおこなう場合でも鮮明な画像を取得できます。
また、軟性タイプの工業用内視鏡の場合には曲げられるプローブを備えていて、配管や機械内部など狭い場所や曲がりくねった場所などにも挿入し、観察ができるように設計されています。
ファイバースコープは数千~数万本の光ファイバーを束ねた状態になっていて、先端にレンズが装着されている構造になっています。この構造により、観察対象からの映像(光)をファイバー経由にて伝送する仕組みになっています。
ビデオスコープでは、挿入部(プローブ)の先端に小型のカメラ(CCDとCMOS)と照明を内蔵していて、ケーブルを使用して映像信号を電気的に伝送し、観察を行います。
工業用内視鏡はさまざまな場面で使用されています。暗い部分を観察するケースもあるので、高輝度LEDなどを搭載することによって、暗い内部でも明るく観察できるようになっています。
操作部には、プローブの先端の湾曲(上下左右)を手元で制御できるアングルジョブやジョイスティックがついています。この機構によって観察範囲を自在に操作できるので、一方向からだけではなくさまざまな方向からの観察ができるようになります。
映像出力部分については、ファイバースコープとビデオスコープによって異なります。ファイバースコープの場合は接眼レンズで直接観察を行います。また、ビデオスコープの場合にはモニターやPCに映像を出力する形になっています。このような構造によって観察対象をリアルタイムで確認できます。
柔軟性のある光ファイバー(イメージファイバー)を多数束ね、先端に搭載した対物レンズによって捉えた映像を光ファイバーで伝送します。この時に伝送された映像は、もう一端に搭載されている接眼レンズでリアルタイムに観察することができます。
ファイバースコープの場合には光ファイバーが柔軟性を持っているため、観察する対象物の内部が曲がっていたとしてもその形に沿って挿入して観察できます。
プローブの先端に小型カメラが搭載されているタイプの内視鏡です。そのカメラで捉えた映像を電気信号に変換し、ケーブルを通じてモニターに表示することで観察します。ビデオスコープの場合、ケーブルで映像を伝送する形になっていますので、10mを超える長さにも対応でき、さまざまな場面で使用できます。
工業用内視鏡の中には、ワイヤーやメカニカル構造によりプローブの先端を可動させられるものもあります。例えば、手もとのジョイスティックなどで操作して先端を湾曲し、観察方向を調整できます。このような製品であれば、一方だけではなくさまざまな方向から観察できます。
製品によっては、より対象物の観察をしやすいようにズーム機能や照明の明るさ調整機能、レンズ洗浄や視界の確保のための送気・送水ノズル、温度センサーなど多彩な機能を備えているものもあります。使用場所や環境、観察対象などによって、必要な機能が異なってきますので、使用シーンに応じて必要な機能を検討してください。
こちらの記事では、工業用内視鏡の構造や仕組みについて紹介してきました。工業用内視鏡は、細長い挿入部の先端にカメラやレンズ、照明が搭載されています。そして、その先端部分を手もとジョイスティックなどで自在に操作でき、目視ができない対象物の映像をリアルタイムで観察・記録できる仕組みになっています。
さらに、製品によってさまざまな補助機能が搭載されていますので、使用する環境などニーズにあわせて、自社に合った工業用内視鏡を選択できます。
工業用内視鏡には、大きく分けてビデオスコープ・ボアスコープ・管内カメラがあり、それぞれでニーズが異なります。どのような場所を確認・検査したいのかを明確にし、自社に適した製品を選びましょう。