工業用内視鏡は、内部構造の検査や不具合の発見に欠かせないツールです。高機能なカメラと先端技術を駆使し、多様な機能を備えています。技術的に搭載できる機能は増えていますが、それらすべてが業務に必要というわけではありません。必要な機能を理解して、製品を選択することが大切です。ここでは、工業用内視鏡の機能と使用用途を紹介します。
工業用内視鏡の主な機能には、画像取得や照明、記録、測定などがあります。それぞれの機能を詳しくみていきましょう。機能ごとにどのような場面で使用されているかも解説します。工業用内視鏡選びの参考にしてください。
工業用内視鏡は、高解像度の画像取得と表示機能を備えています。高解像度カメラを使用して取得した鮮明な画像は、一般的には液晶モニターにリアルタイムで表示されます。静止画や動画をSDカードに記録できたり、サムネイル表示機能が搭載されているものもあります。ズーム機能、左右画像反転表示、カラー/白黒切替表示などの画像処理機能など、搭載機能はさまざまです。部品内部の加工精度確認、溶接箇所の検査、材料の破断やひび割れの点検などで活用されています。
観察対象を適切に照らすために不可欠なのが照明機能です。多くの機種で高輝度LEDが採用され、先端に配置されています。低消費電力でバッテリーで駆動でき、機器の小型化と挿入部の耐久性が向上しています。照明の明るさは通常6段階程度で調整でき、観察環境に応じて、より適切な明るさを選択できます。一部の製品では同軸照明が採用されており、ボアスコープやファイバースコープに取り付けて使用できます。暗い場所や狭い空間でも鮮明な画像を得ることができ、さまざまな産業分野での検査や観察に活用されています。
湾曲操作は、検査対象へのアクセスを容易にする機能です。多くの機種では、ジョイスティックを使用してプローブ先端を360度湾曲させることができます。後方部の観察も可能です。空気圧湾曲機構を採用し、コンパクトなリモコンで操作できる機種もあります。タービン内部や機械の隙間など、複雑な構造を持つ対象物を観察する機能です。検査効率を大幅に向上させています。
検査結果の文書化と共有を可能にする機能が記録、保存機能です。多くの機種では、静止画や動画をSDカードに記録できます。たとえば、JPEG形式で静止画を保存し、MPEG 4 AVC/H.264形式で動画を記録することができます。一部の機種では、電源投入時に自動的に30分サイクルの録画を開始する機能もあります。保存された画像や動画は、内蔵モニターで閲覧・再生でき、SDカードを介してパソコンでの管理や共有も容易です。検査結果の詳細な分析や長期的な記録保持が可能となり、品質管理や保守作業の効率化に貢献します。
検査対象の寸法や欠陥を正確に評価するために重要な機能が測定機能です。多くの機種で2Dステレオ計測が可能で、2点間距離、線基準、面基準、全長、面積などの測定ができます。高性能モデルでは3Dフェーズ計測技術を採用し、対象物を立体的に計測できます。エンジン部品の摩耗、配管の腐食度、溶接部の品質など、精密な検査を実施できます。
対象物を立体的に計測できる、3D測定技術が工業用内視鏡の高度な機能として注目されています。3D表示機能により、2Dでは確認しづらい部位も360度回転させてあらゆる角度から観察できます。
画像処理・解析機能も充実しており、専用ソフトウェアを使用することで、自動計測や一括処理ができます。粒子の自動計測、3Dデータの高さやプロファイル計測、工業製品の線幅計測などを効率化できます。
工業用内視鏡は、画像取得・表示、照明機能、湾曲操作、記録・保存、測定機能、3D測定や画像処理・解析など、多彩な機能を備えています。さまざまな産業分野での効率化と精密な検査、品質管理が可能です。しかし、機能がたくさん搭載されていればいいというものではありません。必要な機能は、業務内容によって異なります。業務に合わせて機能の取捨選択をして、適切な製品を検討してください。
工業用内視鏡には、大きく分けてビデオスコープ・ボアスコープ・管内カメラがあり、それぞれでニーズが異なります。どのような場所を確認・検査したいのかを明確にし、自社に適した製品を選びましょう。


