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工業用内視鏡の原理

航空機や自動車のエンジン内部、プラントの配管内部など、直接人の目で見ることができない場所の点検や確認を行える工業用内視鏡の原理を紹介していきます。基本的な構造のほか、用途や活用されている分野、工業用内視鏡の種類などをまとめました。

工業用内視鏡とは?基本的な仕組みと用途

はじめに、工業用内視鏡の基本的な構造と用途を紹介します。どのような仕組みになっているのか、またどのような用途で使用されているのかをまとめました。

工業用内視鏡の基本構造

工業用内視鏡の基本的な構造は、医療現場で使用されている内視鏡と同様です。先端にレンズが埋め込まれた管状の挿入部を、検査や観察を行いたい対象物の隙間などから差し込み、内部の様子を外部のモニターに映し出す仕組みになっています。対象物の観察を行う際には、ジョイスティックなどを使用して内視鏡をコントロールすることができるため、詳しく内部を見られます。

工業用内視鏡の主な用途と活用分野

工業用内視鏡はさまざまな業界で使用されています。 例えば、自動車や航空機、鉄道、船舶の分野では、エンジンや油圧機器、タービンなどの内部検査に使用されていますし、電力分野では原子力発電所や火力発電所の復水器や配管、タービンなどの保守点検に用いられています。

また、土木・建築分野では橋梁のメンテナンスや床下などの点検、インフラ分野においては水道やガス設備の配管における腐食や錆、詰まりなどの点検に用いられています。

工業用内視鏡の動作原理

ここでは、工業用内視鏡の動作原理をまとめています。光ファイバーを利用した映像伝達の仕組みに加え、CMOS/CCDカメラを使用した映像取得技術を紹介していきます。

光学ファイバーを利用した映像伝達の仕組み

光ファイバーを束ねた「イメージファイバー」の先端に対物レンズが搭載されていますが、このレンズを使用して観察対象の内部を撮影します。この撮影された映像は、光ファイバーを通じて接眼レンズや外部のモニターに転送が行われることによって、内部の様子を確認できる仕組みになっています。

CMOS/CCDカメラによる映像取得技術

ビデオスコープの場合、先端にCCDやCMOSカメラが搭載されており、このカメラで撮影した映像をモニタで確認する仕組みになっています。この場合、ビデオスコープの解像度はファイバースコープよりも高いことに加えて、ケーブルを使用して映像の伝送を行うため10mを超す長さのプローブを使用して対象物内部の確認もできます。この点から、より奥深くまで高精度な検査や観察を行えます。

屈曲・可動機構の技術と制御方式

工業用内視鏡の中には、操作によりプローブの先端を360度湾曲させられるものもあります。このように先端を自由に動かせる内視鏡を手元のジョイスティックなどで操作することによって、一方だけではなくさまざまな方向からの映像で内部の確認を行えます。

工業用内視鏡の種類とそれぞれの特徴

工業用内視鏡は、「リジッド(硬性)内視鏡」と「フレキシブル(軟性)内視鏡」の2種類に分類されます。ここでは、それぞれの違いや特徴などをまとめていますので、どのような違いがあるのかを確認しておいてください。

リジッド(硬性)内視鏡とその特性

「リジッド(硬性)内視鏡」は、曲げられない素材を使用している内視鏡を指しており、高い画質にて細い穴や隙間などの内部を見られます。真っ直ぐな形状をしており、折り曲げることができない点が特徴です。

このタイプの内視鏡は、チューブから真っ直ぐ先を見るタイプのほか、斜め前方を見るタイプ、横方向を見るタイプ、斜め後方を見るタイプなど、状況によって選択できます。曲がらない素材で作られていることから、曲がりくねっている配管などの点検には不向きであるものの、筒の内径の全体像を見たい時などに用いられています。

フレキシブル(軟性)内視鏡の利点と構造

「フレキシブル(軟性)内視鏡」は、ファイバースコープやビデオスコープのように、柔らかく曲げられる素材を使用している内視鏡を指しています。このタイプの内視鏡は柔軟性を持っており、検査や点検を行う対象物の内部が曲がっていたとしても、その形に沿って入っていける点が大きな利点といえます。そのため、狭い設備の奥や曲がった配管の中など、人の目では見たくても見られない部分の点検や検査などに活用されています。

ファイバースコープとビデオスコープの違い

ファイバースコープとビデオスコープは、狭い場所や管の内部の観察や検査などを行うために使用されます。いずれも曲がった配管などの中も見ることができます。ただし、構成要素と映像の転送方法がそれぞれ異なっています。

ファイバースコープは、細かい繊維を束ねて棒状にした光ファイバーの先端に小さなレンズを取り付けた形状になっており、光ファイバーを介して映像を外部のモニターに転送します。そのため、リアルタイムで対象物の内部の確認を行えますが、距離が長くなった場合には映像転送に制約が出てくることがあります。

対して、ビデオスコープはカメラを使用して対象物の内部の映像を捉え、外部にビデオ信号として送信を行います。カメラで捉えた映像を電子的に処理した上で転送を行うことから、より遠くへの映像転送が可能。ファイバースコープと比較すると、距離の制約が少ない特徴があります。

まとめ

こちらの記事では、工業用内視鏡の基本的な構造や活用されている分野などについてまとめてきました。さまざまなところで用いられている工業用内視鏡は、人々の生活を支えているともいえます。工業用内視鏡には多彩な種類がありますので、業務などに必要となった場合には、用途や目的に合わせた内視鏡選びを行うことが大切といえます。

【業種別】工業用内視鏡
おすすめメーカー3選

【業種別】工業用内視鏡
メーカー3選

工業用内視鏡には、大きく分けてビデオスコープ・ボアスコープ・管内カメラがあり、それぞれでニーズが異なります。どのような場所を確認・検査したいのかを明確にし、自社に適した製品を選びましょう。

自動車メーカー向け
部品内部の微細な欠陥まで
検出可能
エビデント
(ビデオスコープIPLEX)
ビデオスコープIPLEX
引用元:エビデント公式HP(https://www.olympus-ims.com/ja/rvi-products/iplex-nx/)
特徴
  • 湾曲可能で複雑な経路にも対応した高画質ビデオスコープ。高輝度レーザーダイオード内蔵により、暗いエンジンやモーター内部も鮮明に表示できるため、微細な欠陥も見落としづらくなります。

エビデントの
公式サイトで詳細を見る

部品加工会社向け
対象を固定できるので、
短時間で検査が可能
ミルス・システムズ
(リジッドボアスコープ)
リジッドボアスコープ
引用元:ミルス・システムズ公式HP(https://www.mils-sys.co.jp/products/efスコープ-2/)
特徴
  • 硬性のスコープで、手元の機械部品や点検箇所を固定しながら直接目で覗くから手ブレがなくなり、短時間で安定した検査が可能。

ミルス・システムズの
公式サイトで詳細を見る

インフラ管理会社向け
長距離や屈曲した配管でも
検査が可能
サンコー
(配管内視鏡カメラ300M)
配管内視鏡カメラ300M
引用元:サンコー公式HP(https://www.thanko.co.jp/view/item/000000000854?category_page_id=ct138)
特徴
  • 300m超のロングスコープで、弾性があるから曲がりくねった長い排水管や工場配管などの深部まで一カ所からまとめて点検をする事が可能。

サンコーの
公式サイトで詳細を見る