工業用内視鏡は多分野で活用され、用途に応じたさまざまな特徴を持ちます。導入するにあたっては、具体的な使用用途をイメージすることで、「どのタイプの内視鏡を選べば良いか」「どの業務に活用すれば良いか」が分かりやすくなります。工業用内視鏡選びに失敗しないためにも、具体例をチェックしましょう。各業界で使用されている工業用内視鏡の用途を解説します。
一口に工業用内視鏡といっても、その使用用途は業界によっても特徴があります。ここでは、製造業界と食品業界、設備業界の工業用内視鏡の具体的な使用例をまとめました。自社での使用方法を検討する際に参考にしてください。
製造業界では工業用内視鏡が多岐にわたって活用されています。たとえば消火器製造では、先端可動式の内視鏡を使用して内部の溶接面を確認し、ピンホールなどの欠陥を検出します。金属製品製造メーカーでは、缶内の異物混入チェックや機械間の計器点検に活用されています。車両技術部門で使用されているのは、トラックのフロント部分の液漏れ確認です。また、工業部品内部の点検や溶接箇所の裏側の確認にも広く利用されており、特に人が直接アクセスできない狭小部や危険箇所の検査では重要な役目を担っています。
食品業界も工業用内視鏡が活用されています。飲料メーカーの品質管理部門では、先端可動式の内視鏡を使用して蒸留タンクから排出タンクまでの管内の汚れを確認しています。可動式内視鏡の使用で、管内へスムーズに挿入でき、点検時間の短縮につながっています。醤油メーカーの品質管理部門では、醤油を入れたタンクの内部点検に工業用内視鏡を活用しています。LEDライトを補助的に使用することで、タンク内部を明るく照らし、詳細に確認できます。食品業界では製造設備の衛生状態の確認や品質管理に工業用内視鏡が重要な役割を果たしています。
電気・ガス設備のメンテナンスにおける用途は、内部の点検や異常の早期発見です。火力発電所や原子力発電所、風力発電所のギアボックス点検にも使用され、重要な設備の安全性を確保するために使われています。また、水道管の点検作業では、パイプ内部の腐食や破損の確認に活用しています。真空装置内部の検査も用途のひとつです。設備の性能維持に重要な役割を果たしています。設備業界において工業用内視鏡は、効率的な点検と予防保全に不可欠なツールです。
工業用内視鏡は、製造業、食品業界、設備業界など幅広い分野で活用されています。製造業では部品検査や品質管理に、食品業界では設備の衛生点検に、設備業界では発電所や配管の内部点検など、幅広く活用されています。非破壊検査、異常早期発見、安全性確保など重要な役割を果たしています。細部や狭い空間など、人が入れない場所の点検と相性が良いツールです。工業用内視鏡にもさまざまな製品があるので、目的に合うものを選んでください。
工業用内視鏡には、大きく分けてビデオスコープ・ボアスコープ・管内カメラがあり、それぞれでニーズが異なります。どのような場所を確認・検査したいのかを明確にし、自社に適した製品を選びましょう。